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少し時間が出来たので新曲に手を付け始めました。今日は少し普段の作業工程なんかもお見せしながら書いていこうと思います。


曲の流れはもう頭にあったので、先ずは音の仕込から。

頭で鳴っていたものは、切り刻んだリズミカルなラップサンプルから始まっていたので、それが出来るように適当な素材が無いか探るところから始める。毎度のことだけど、大量のサンプルから使えそうなものを拾い出すのにいい加減疲れてきて(笑)「もうこれでいいや・・・」という元ネタになりそうなものを幾つか選ぶ。

一旦ACIDに貼り付け、マッピングを使って丁寧にテンポ修正。「頑張ったけどこれが限界でした」というクラブミュージックの声ネタっぽさを演出するためにワザとピッチも触り、微妙に早回しな感じの高いトーンに。

今回キーは痛快なCと決めていたので、声ネタを合わせたところ近いところでAしか拾えそうに無かったんでA付近でチューニングしていくと、元のピッチのせいで切り刻んだ際にネタの破片の音階がハーモニックマイナーにしかならずにあまり痛快さが出ない・・・。
( T-T)
まあそこは開き直って、このネタでシブい部分を担当してもらって、残ったパーツをアホっぽくしておけばバランスが取れるかなと思って次に。
ある程度出来たら早速Logicに持って行き、pHatmatikを使って切り刻みなおす。一旦midi情報を吐いてからもう少しリズミカルに並び替えて、EFX処理を施し、その後の扱いが面倒なのでベーシックパターンを書き出してしまう。これをWINに戻してCubaseに貼り直し、ディレイのフィードバック処理で「sssllllaaaapppp」みたいな高速途切れ感を出し、書き出してLogicに戻す。曲では処理前と処理後の2本を抜き差しと並び替えをしたものを使います。


次にこのリズムボイスの裏に鳴らすドラムンベースっぽいパーカッションドラムの音ネタ作成。手近にあったネタでライブラリ作りから・・・。高めのトーンで統一して、バックにキックなんかを鳴らしてもローでぶつからないようにする。SE的な不可思議ピコピコループと合わせて使いたかったので、これもライブラリ作りを。

普段は事前に音の仕込をしているものでその場その場で作ることはあんまりないんだけど、唐突に想定外なものが出てくると用意しないといけないので(ここではトランスを作るつもりが急にDrmnなネタの必要性)、作成作業自体も面倒だけど、それ以上にそういう事務的な作業をすることで曲を作るテンションが下がらないようにする方が大変だったりシマス。

ネタが出来たらサクっとBatteryに配置、声ネタのリズムに合わせてドラムパート作り。こういう実務はあっという間なのに別のところの方が圧倒的に時間を食います、、、流石電子ミュージック。
ドラムが出来たらベーシックを流しながら今度は声ネタの方を弄っていきます。先に用意した2種の声を切り刻んで抜き差し。変更された部分に合うように今度は逆にドラムにも手を入れてリレー方式。良い感じになってきたところでドラムだけまた書き出しておきます。


今回は少しハード系な音を使おうと思っていたんで、曲本体の音ネタの仕込から始めます。
先ずは印象的な音から着手するんですが、今回はハード系ということで先ずはキックとベースですね。
キックはコンプの効いた団子系にしてBsで下を鳴らすか、レンジの広い歪んだキックにしてBsは立ってくるようにスクエア主体の音にするか悩んだ結果、後者にすることに。
イントロ用のベースは事前に仕込んであったライブラリのものでいけそうなのでそのまま、曲本体で摩り替わる方を5度成分・広がりスクエア担当のVanguard、センター・輪郭の鋸波主体担当のEXS(自前ライブラリ)で完成。キックは事前に仕込んであるライブラリのものにEQとコンプ処理、ピッチあわせをして完成。混ざり具合も意図した感じに。
打楽器も例外なく、ピッチ感が揃ってたり上手にハズしたりと微調整をしてあげると気持ちいいリズムになるんデスヨ、生と同じくエレドラでも一緒ですネ。

次は前面に出てくる303系のbs兼シーケンスがイメージにあったのでこれも音の仕込を。これにはPHOSCYONを使います。303は歪み具合とカットオフ、レゾナンス、スライド(ポルタメント)のタイミングと速さが命なんで念入りにデータ修正していく。
音に太さが足りないと思ったのでチューブに(ベリのT1952を使いました)通したんですが、ローミッドをピークにして突っ込ませるためと歪んだ際にどうせ高めの共鳴倍音が出てくるので加減を見つつハイを少し削りながらチューブに突っ込みます。
元よりPHOSCYONは本物の303より全体的にハイの出方が緩やかでエッジが出難いだめ、このように元音は少し削っておき、輪郭はreFXのCLAWの線の細さを利用してレイヤーします。


ここまで来たら思っていた感じになるか一旦全体のおおまかな構成決めをします。上記パーツで足りないリズム隊のパーカッションやSEやフィルイン用の歪んだキック、別フレーズを足していく。ここで、盛り上がらない、足りない、やっぱりここで一旦キメが入った方がいい、と思うような箇所を微調整し、これらパーツが全部使われているAメロ終わりまで構築。

 

あまり進んでないんだけど、、、ここまで来て疲れたのと余計な音の仕込みなんかで結構な時間を食ってしまい、作業終了です、お疲れ様でした・・・。
イントロ部から妙に気合が入ってるんで、この部分でみんなちゃんとノッテくれるといいけどなあ・・・。

次回はヌケ(ブレイク)~サビの前編に取り掛かりたいと思います。曲の方はもう書きあがってるので、音作り以外はいつものように流れ作業になると思います。

(つづく)

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作曲、プロデュースからエンジニアリングまで、曲が出来るまでの全ての工程をなんとなくそしてぼんやりとこなす人。ジャンルはポップス、ロックからダンスミュージックまでなんでもやります。最近はすっかりハウスの活動が中心になってマス。
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