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今回はReasonの原曲のお話です。
もうかれこれ3年近く前になりますか、元々原曲と呼べるものはこのバージョンでメモ的に作って放置しておいたものを今回仕上げてしまいました。特筆するような事はしていないので今回は内容が薄くなりそうな事はこの時点で想像出来てしまうんですが(笑 とりあえず何か書いていきたいと思います。
いつもそうなんですが、曲に取りかかる前にどういう場面で聴くような曲か、目を瞑ってその曲を聴くと見える絵はどんなか、っていうのを意識しています。「休みの日にオープンカーでドライブするときにアガる曲」「爽やかな風が吹く丘が見える曲」、といった具合ですね。
今回は「夜帰宅するとき、電車の窓から外を見ながら聴きたくなるような曲」という感じにしたかったので、これに沿って作っていきます。
ゆったりと聴く曲なのでアレンジから見ていきましょう。
あまりに前の話なので何を考えてこの進行にしたのか全然覚えてないですが、シンプルに、メロが引き立つように、それなりにポップで聴きやすく、それでいてアガり過ぎないように、と言うコンセプトだった気がします。途中で悩んだ箇所はどの程度ブラック感を残すか、っていう部分だったかな?あまりブラック過ぎてしまうと日本人の好みに合いにくいかな、という懸念があるからですね。
今回手直しと残りを作るに辺り変更などをした部分は些細な部分だけですね、例えば素直にVで終わるのか、IVm/Vにするのか、9thは必要?などなど、その程度でした。
アレンジに当たっては、これだけお国柄を色濃く感じさせたり、今回のようにそれを加減する大事な部分という事もあって、一番気を遣うのは1にも2にもフレーズの部分でした。曲調に合うかなと思うフレーズをとりあえず作ってからそれに合わせてボイシングを考えて埋めていく、という方向ですね。はじめにエレピをバーンと弾いてしまうとコード感が強くなりすぎてそれだけでオケを埋めてしまって完結しかねないので先ずはガイド用のベーシックなドラムを適当に打って、ギターから手をつけ始めます。最初はガットのフィンガー弾きが合うかなと思っていたフレーズも、実際に使ってみるともっと張りが欲しくなったのでアコギに変更しました。
ざっとワンハーフ分のフレーズを作りながら簡単な和声付けが決まってきたら、展開に沿ったオケの厚みを考えながら他の楽器も入れていきます。先に少し書きましたがBメロでは少し変化が欲しかったので音色にも変化が反映するように弦のピッチカートとハープを試しながらあのフレーズを考えました。まだ殆ど楽器が入っていないものの、ちょっとやり過ぎたかなと思ったので、この見せ方は2番のエクスクルーシブに回してその手前のAを少し寂しめに落とし込む事で馴染みを作り、1番はAと同じ進行とフレーズのまま突っ切ってしまう方向に決めました。単純に2回しだと飽きてしまうので、この方法で1番はそのまま、2番はワリと動くパターン、と変化をつけました。
本当はダラーっと行ってしまうシンプルなアレンジの方が「っぽい」んですよね、ただメロの変化が少なくシンプルな作りなので、アレンジの方で少し変化を持たせないと飽きさせてしまうかなと思って妥協点を取りました。日本人的にはA/B/サビ構成な曲の馴染みが深いせいか味気なく感じてしまうからでしょうか。
次はサビなんですが、取るかかる前にドラムを決めてしまいます。
サビの厚みをどの程度にするかを考え、それを踏まえてその手前のA/Bを調整するので、見比べるに当たってドラムの五月蠅さ加減が作用してしまう事が一つ。もう一つはどうノルかでフレーズに影響が出るので、曲の持つリズム感を自分の中で整理する意味もあります。
音色ですが、全体のサウンドを考えると綺麗なだけで終わるのは嫌だなあという思いがありました。綺麗に聞けるけど、どこか尖っている、その両方の要素で包み込んでくるような音、と考えてアンサンブルをイメージしていくとドラムは全部歪んでてもいいなあと思いました。「どこか尖っている」の部分は、コンセプトに照らし合わせると「今置き去りにしていった雑踏」の部分ですかね。逆に綺麗にまとめる部分は「向かっている家などの落ち着ける先」を指すのでしょうか。
キックは生とエレドラ音色でレンジが広いものを二つ選び、ピッチを整えてから思い切って歪ませます。ここで大事なのはアタックの張りと優しめの胴、抜け切るブーミーなお尻部分です。そのイメージになるようにレイヤーのブレンドを調整しながらエレドラの方だけキャラ作りの一貫でコンプ、2つ纏めてディストーション処理をしてから倍音を揃えるためにコンプし直します。
スネアはパショッ!っていうタイプかタイミングの乱れたクラップかで悩みましたが、シャッフル感で遊べそうなので後者を取ります。3種使い、2つはレイヤーに、1つは裏打ち用に使っています。これも仕上げに歪ませます。
ハットは胴強調するタイプの生系のものとハイ補助をするものの2種使っています。生の方をディストーションさせてミッドにエッジを出しつつ五月蠅さを加算します。
決め起きのパターンを組むのでシャッフルタイミングを中心に慎重に考えながら組んでいきます。
準備は完了したのでサビに取りかかります。ギターはもう出来上がっているので、これを邪魔せず絡んだ上で足りない和声感を補うために今回はローズMk1を敷きます。
トップでカウンターを作るんですが、補助リードとの兼ね合いを見ながら。量感に関しては楽器を増やさずエレピのf特で解決する方法を取ります。いい感じで響いてきたので一応ここまでは完成とします。
で、最後にようやくベースです。最後まで取ってあったのには理由があるんですが、こういうジャンルの場合は大きく分けてコードチェンジ部分でルートを押さえるだけのベタなパターンと、かなり動きがあって遊んでるパターンの2通りで考えるんですが、後者をとるにしてもフレーズが揃っていない時点でそれをやると自由すぎて不必要にカウンターが増えてしまい、他の楽器を大人しく纏めてしまって活きてこないので、その間を取って加減し易いためにも最後に残してありました。ルートだけ押さえる感じでもなく、忘れた頃に少し大胆に動く、でも控え目な感じで、という位置づけと役割で考えていきます。
サビが完成しました、なのであとはこれを踏まえてA/Bパートに戻ります。
アコギがフレーズを歌っている事でコード感が足りないので、和声を補う程度にガットギターでシンプルなパターンを弾きます。上を使いすぎるとフレーズを邪魔しますし、下過ぎてもパワフルすぎ、音数が多くても倍音が増大するので、オープンからみて1段だけ上のハイコードを意識して1弦と6弦をミュートして中4弦だけ使います。大人しく聴いて欲しいパートなのでBsもベーシックに大人しめに、ですね。
Bsの音色の話を忘れてましたね。最初は久々にSE-1に電源を入れてサインを中心にただ太いだけ、音階感の少ないロー成分たっぷりな音を使っていたんですが、曲の中程に差し掛かったところでキックとの兼ね合いを考えるとロー処理が大変だなと思った事と、遊んで上に逃げた際にリードと似た音でぶつかってしまうために面白くないのでノコギリを中心に使ったMoogとスクエアはSH101に変えました。全体で考えると2oct程度動くので、音階としてもf特としてもレンジを広く使ったときにそれほど音の太さにバラつきがないように倍音が多い音の方がいいなという判断です。
大雑把にコンプしてから音を作りましたが、ディチューンを一生懸命調整したくらいで大した処理はしていません。oscの一つはサインのままにしてあるのですが、ローは広がりを作る事でオケに包まれる感覚の一部を作り出せるので、音が出来上がったら120Hz以下の左右の位相を狂わせて横に広げました。エアーで鳴らすとこれくらいのローなら指向性が狂って定位感は死ぬので勝手に拡がって聞えるのですが、コンセプトに乗っ取るとヘッドホンでもそれを感じて欲しいのでそのための処置でもあります。
全体を通してはそうですね、曲調が曲調なのでその中で荒さを感じる部分が欲しかったので音処理もフレーズの方でも少しだけ小細工を施しました、くらいですかね。シンプルにさっと仕上げた方がいい気がして実際かなり短時間で作ったのですが、出来るだけ生っぽさと言いますかルーズな部分を残すようにしました。音に関しても同じで、結構乱暴で大雑把な処理のまま終わっているところが多いです。気分の問題が殆どだと思うんですけど、こういうのを丁寧にするとココも丁寧に、だったらここも合わないのでまた丁寧に、、、と小さな発端から結局全体が上品に仕上がってしまうので、少し思い切ったくらいのルーズな部分は必要かなと思っています。
では今回はこの辺で。次回は多分ロックバラードな曲になると思います、お楽しみにー。
細々と不定期にやっておりますが、何か使えそうな情報でもあれば、と思います。
今後とも宜しく御願いしまーす
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