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では早速ですが今回は「reason」です。
先にお知らせしましたようにその後大幅な修正を加えましたので、元の原稿に加筆修正してあります。


・バージョンその1の1

この曲は原曲と言いますか、本当はR&Bな曲として用意していたのですが(このバージョンもそのうち完成させたいと思います)、ハウスでウタモノが急遽必要と言うことでテンポを上げてリアレンジしてみました。
今回のタイスケからの注文は「ラッパとかストリングスがガンガンが入っていて五月蠅いもの」「展開が大胆、トランスっぽいもの」「ジャンジャカピアノ」「ボンゴやコンガを使ったトライバルなパーカッション」と言った感じでした。これらキーワードから、ファンクを基調としたものに最近のハウスの傾向を織り込んで作っていくことに。

先ずはアレンジですね。一番の問題はジャンルを跨いだリズムの調和部分で、メロが元々ブラックなものですから、これをアップテンポにするにはファンクを基調とするのがベストだと判断しました。ですが、今度はそれを強調しすぎると16ノリでしかも引っかかりが多すぎて4や8でノレず、メロが流れません。
それを補うためにメロディアスで流れるような弦パートを考えるわけですが、これはディスコ調なラインを使えばいいので合わせるのはそんなに難しくないんですが問題なのはここからで、先ずはジャンジャカピアノが邪魔をします。
リズミカルなピアノを使うにあたって一番簡単なのがファンクのリズムに合わせてしまうことですが、今回の注文はそういうものではないので、両ジャンルの共通タイミングを考えながら整合性を取っていきます。
更に問題になるのが管のパートで、これは弦のパートを抜き差しのセッションフレーズにすればいいのですが、ディスコ調を強めすぎると存在価値が無くなり、「そもそも弦だけでいいじゃん」と言うことになるので、また引っかかりの要素が増えますが若干ラテン(サルサですかね?)なエッセンスを加えていきます。
ここまでをおさらいすると、4/8/16が均等ノリなドラム、ファンク調だが16が強すぎないベース、4ノリで流れる弦、管はバランスを取るために8で乗るパートにしたいが難しい、こういう感じになります。

スピード感はボンゴとコンガメインのパートでシンコペーションを組んで速度感調整が出来ますが、聞き取り易すぎると楽器が死んでいき、このパートが扱われるランクとして和音楽器と同等であるのはおかしいので、、、どれもが出しゃばりすぎず引っ込みすぎず、にしないと全体として聞いたときに意図したノリにならないので、音量バランスの前に音質面での譲り合い(f特的に)、音量のバランス、こういったものが重要になってきます。

次は和音楽器ですね。これだけ楽器数が多いと前述のように音質面も響きに影響するようになるので元となるサンプル音源の選択が難しくなり、ハードルもどんどん上がっていきます。パッシブなフレーズにするために弦に関しては音色の選択肢がなく、音自体はショボイですが立ち上がりの良い音色が多いローランドのSシリーズのサンプル(EXSにコンバートされたもの)を使用します。
いつも思うのですが、豪華で美しいオケ用のサンプルは腐るほど存在するのに、なぜポップ弦で使えるようなアタックの速いライブラリはないんでしょうか・・・。マルカートやガッツリと弾くアジタート、レガートからの任意変化するトレモロやビブラート、最低限これくらい出来ればいいのですが、既存の高級ライブラリはどれもこれも立ち上がりが遅く、ポップスなどで使えるようなパワーと力量を感じるアジタート音色がないデス。
各種メーカーさん、意外と需要あると思うんですがどうでしょうか。

管はいつも愛用しているKickAssBrassなんですが、サンプルベースだと色々と使いにくい中これまで我慢して使ってきました(特に演奏切り替え面)。ですが今回は思い切ってVST版のプレイヤー付きでWINベースに乗り換えてみました。住めば都、Logic上でなくなった分、専用プレイヤーの使い勝手の良さもあってナカナカでした。
なんでこれを使っているかと言いますと、上記弦の理由と同じなんですよね。KABはポップスや例えばサルサ、ポップオケといったようなブライトで立ち上がりの速い音色や奏法が多く、使い勝手がいいんです。こういった生サンプルのライブラリは沢山持ってますが、結局音質面を度外視してもこういった実用性(音質より演奏の方が大事ですからね)を重視してついつい使ってしまいます。
パートに関しては基本は弦との抜き差し、ラインのボイシングの手伝いといった役割でしょうか。縦(ボイシング)と横(リズム)を注意しながら組み立てていきます。管は弦と違ってそのパート自体が持つ積み方の束縛が厳しめですから(octや4や5th感)、それを保ったままフレージングし、且つボイシング参加、細かな譜割りが利く楽器ですから打点を注意したリズム参加、面白いですが色々と面倒です。
空間処理は4人がゆったり入れ、リフレクションはそれなりにあるブースで録ったという想定になっています。

次はピアノですが、ジャンジャン弾きということで、ただでさえ五月蠅いオケになりそうなのでそれなりに目立つものが必要です。今後の事を考えて最近M1のピアノのライブラリを作ったところでしたので早速使ってみました。M1と元サンプルが同じで、且つメモリも多く使用している豪華版のP3なんかを持ってたりするんですが、「いわゆるM1ピアノ」とはやはり違うんですよね。レイヤーされたハイのエッジにあるグロッケン風の金属音が不足していたり、M1内蔵の独特なコンプがかかって初めて「アレ」になるので、やはりオリジナルの方が使い勝手もいいですね。
問題があるとすれば、元音が前代的なものですからマルチサンプルになどなっている筈もなく、細かく積んだ音だと音が潰れてしまいます。ボイシングするにあたってルートと3に挟まれた9thや、強引に7を下に回してルートとぶつけると言ったこと(2度で当たる)は避けないとぐしゃーっとなってしまいます。音色から和音に制限が設けられる形ですね、珍しい事ではありますがちゃんと考えないとあとあと面倒な事になります。
フレーズを歌わせた場合でも、強調するため下手にトップをoct弾きにしたりすると、音色の問題で箇所によって位相がおかしくなってかえって引っ込んでしまうこともあるのでこれもxです。書けばキリがないのですが、とりあえず沢山の足枷を抱え込むことになりました。

弦や管も含め、ローミッドで相当喧嘩するので分散が必要です。管に関しては4管で積んでるんですが、トロンボーンとアルトの下2本はパン振りし、コーラスをかけてボカし、ペットのエッジはハイを立たせてギラギラした感じに纏めるとして、弦はあんまりローミドを切ってしまうと胴抜けして厳しくなるので、ある程度残しピアノ側で遠慮して貰いました。どのみちピアノはポイントポイントで立つ音色にならなくてはいけないので、特徴を消さないようあまりハイは削れ無いわけですから、ベースと喧嘩しないような位置までカットして、空間処理含めそれに見合ったトリートメントをしていきます。

和音楽器の役割分担が決まってきたところで最後はBsです。今回はファンク系のフレーズと言うことでどうしても生のエレベにしたいわけですが、そんなに難しいフレーズをささっと弾けるほどベースは得意ではないので(笑 これも生シミュレートで打ち込んでいきます。今回はTrilogyのフィンガー弾きエレベです。
この子は良くも悪くもレンジが広く音が太すぎるので、リアンプがてらキャビネットからのマイキングシミュレーションも踏まえてトリートメントしていきます。少々ゴリゴリしてた方が音も立ってくるしそれが許されるフレーズなので、Sansに通して50アンペ程度のアンプから57で録った音を想定しています。ダイナミックスは楽器→コンプ→EQ→アンプで天井(サチュレーション以上に歪ませるので)→キャビ→最後に57のダイアフラムでハリを出すためのピーク、といった感じになるようにしています。最終的につるっと録音してしまってミックスの段階ではオーディオで貼り付け、微調整EQ→コンプで出来上がりです。
マイク録り想定でハコ鳴りやなんかの音がしていますから、改めて空間エフェクト的なものは一切使っていません。時間があれば本当にスピーカーから出してマイキングするんですが、シミュで想定した音がしたので今回はそのままで行きます。

ドラムはf特的にこれらを縫うように配置するのですが、キックのスペースはよしとしてもう殆ど空きがありません。

一番五月蠅いパートの全体像が実際に音となって出来上がってきたのですが、やはりどう考えても五月蠅いです・・・。ボーカル曲なのでそれなりに立ってもらわないといけないんですが、和音楽器がかなり厳しいことになってます。正直何度も管を撤廃しようかとかリズムをもっと簡素にしようかと考えたのですが、彼の注文を取り入れていかないと一緒にやってる意味がないので無理にでも押し込んでみました。

今回は既に話が長くなりすぎているので他は概要だけにしますが(笑 展開の部分を大袈裟にすることで「トランス的な大胆な」の部分をクリアし、サビが豪華なのでそれに劣るように、且つサビに行くまでの期待感のあるA/Bメロを。
ざっと展開も出来たところでタイスケを呼んで最後の微調整注文を聞くわけですが、ここで沢山問題が発生しました。最初は機嫌良くノッていたのに、「この管少し大きくなりませんか?」から次の話は始まります。

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作曲、プロデュースからエンジニアリングまで、曲が出来るまでの全ての工程をなんとなくそしてぼんやりとこなす人。ジャンルはポップス、ロックからダンスミュージックまでなんでもやります。最近はすっかりハウスの活動が中心になってマス。
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