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今までにイヤと言うほど書いてますからもうおわかりでしょうが、もう何一つ弄る事が出来ない段階まで来ています。どれかを上げると全体のリズムが狂って聞こえる。例えば管を上げてしまうと頭打ちフレーズが強調されてモントゥーソっぽい4拍強調の止まったリズムになり、ボーカルもピアノも死んでいく。フレーズとしても弦と絡ませるためにあまり出しゃばらない感じになっているのに、抜き差しのフレーズも死んでしまう。音質面での強調ももう役割分担がガチガチに決まっているので今更変更出来ない。それらを一応説明し、仮に弄ったものを聴いて貰ったんですが、やはり駄目でした。

今度は「折角の弦が聞こえない」という話に。上記と同じ理由で何も触れない。
どんなことになるのか、試しにストリングスとブラセクとピアノをバスに振って全体を持ち上げてみたのですが「これでいいじゃないですか!」と言われてしまいました。どう聴いても4/8/16のバランスが完全に死んで、4つノリベースでかすかに8でノレるか、って感じになっています。タイミング的にで4ノリするトライバルなものが彼のマイブームだったので理由は分かってるんですが(笑 メロの持つリズムを考えても今回はナシなので。
DJなのでリズムからなら理解して貰えるかなと、それぞれ関係性を実際に聴いて貰うために他の楽器の抜き差しの状態も聴いて貰いましたが、どんどん泥沼になるだけです。最後には「ボーカルなんか聞こえなくてもいいので弦を大きくして下さい」って事に。

彼はこれでいいというのですが、どこでノリたい、どの楽器をよりよく聴きたいなんて結局好みの問題でしかないですが、例えば16を廃して4や8でノる曲にするのなら別のアレンジがあったわけで、例えば弦のラインを強調したいなら管は廃止、それに伴って管との抜き差しのラインを全変更、ボイシングの見直し、ピアノも極小でリズム隊のパーカッションの役割に(グラビのリフみたいな方向性)、といったように一つ弄る事で全部変えなくてはいけなくなる。
幾ら話し合っても「俺はこの弄った方が好き」対「意図が崩れるのでいっそやり直した方がマシ」という水掛論にしかならないし、音楽に正解などないですから長い間話し合っても結局はなんか変な空気になるだけで。
少なくとも僕の主張としては、「注文は全部どうにか全部叶えるように押し込んだ」わけだし、もう2000曲くらいは書いてきているので、何をどうしたら結果どうなるか(例えばこのラインは好きなので強調するとえてして五月蠅いだけになる、など)という経験則があるわけで、意見が分かれたのならこのままそっとしておいて欲しかったんですが、「どうも腑に落ちない」と。

思い出して貰いたいのですが、最初に聴いたときに興奮気味に気に入っていたわけです。ところが最終の好み通りにパートを抜き差ししたらどうなるか、などを丁寧に話していくウチに弄ったら弄っただけやっぱりこっちがいい、いやこっちの方がいいかなあ、となっていったわけです。普段はそんな事はしないのですが、珍しく「どうなるか一回やってみよっか?」といろいろ聞かせたのが失敗の始まりでした。
何が言いたいかと言いますと、何か物作りを経験されている方ならいつも経験されてるかと思いますが、自分が手がけている作品っていうものは修正を加えれば加えるほど良くなっていくという錯覚が起きやすい。それに惑わされたり流されたりしないように引いた目で冷静に判断する要素は、もう数だけがものを言うのだと思います。10枚の絵を描いた人よりも1000枚書いた人の方がその判断力に数に裏打ちされた一般性(?)のようなものが付加されていくと考えます。その場その場で限りなく広がっていく選択肢がプラスになったか、実はマイナス方向なのか、それを判断する視点ですね。

ただ上にも書いたようにロジカルには彼の言い分もよく分るのです。何か一つのことを極めようと努力したことのある人にしか、そこに至るまでどれだけの考えや経験や知識や時間、、、そういったものが積み上がって出た結論と結果なのか、なんて分かるものではないですよね。一見白紙に線が一本だけ書いてある絵でも、その線の角度や使った画材や色、少し変わるだけで意味が違うものになる。ハタからみれば「え、だって線引き直すだけでしょ?(笑」そうなるのも不思議じゃありません。人それぞれに好みがあり、またその人の別の正解があって、線を書いた画家にも自分なりの主観の正解と意味がある。どちらが良くみられやすいか、多くに評価されるのか、それは結果論でしか語れないのでやはり正解はなく、どちらを取り入れるか決められるのは書いた本人だけじゃないかなと。
僕ら二人の関係に置いても、例えば独断で作った僕の完全主導なもの、「L.S.D.」に「Listen~」、最近では「I want U」のエレクトロ版、彼主導の「Heaven is a~」など、ちゃんと結果としてどういう評価になるかの前例がある筈なので、分って貰えなかったのはかなり残念でした。
反対に明らかに彼の注文修正で評価が上がった「Let Me Go」という曲もちゃんとあるので、勿論全てにおいて僕の判断が正しいわけではないです。

人と一緒にものを作り、しかも作業自体は一人でやるというのは今まで思っていた以上に難しいなあ、と感じた一日でした。DJと組む場合、トラックメーカーは製品を、DJは営業を、という分担だと思っているのですが、営業が商品に惚れてくれないと売れるものも売れなくなると同時に、営業はお客様の注文を開発に上げてくれるのは大事ですが、開発のことも尊重して意見して欲しいなあと。結局は信頼関係なんですかね。
生きていると似たようなこと、他でも感じませんか。

折角トランスから抜け出して少しはやりたい方向の音楽が出来るのかなと期待してたんですが、ここでも「営業書き」といいますか、普通の仕事のようにクライアントの注文通りなものを作るだけだったらちょっとがっかりだなあと思う今日この頃です。
本当に作りたいものは趣味に留めておくべきですね。

で、結果どうなったかと言いますと、彼の注文を尊重してみました。皆さんの反応をみてこれが正解だったかを見届けたいと思います。

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作曲、プロデュースからエンジニアリングまで、曲が出来るまでの全ての工程をなんとなくそしてぼんやりとこなす人。ジャンルはポップス、ロックからダンスミュージックまでなんでもやります。最近はすっかりハウスの活動が中心になってマス。
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