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と、ここからが追加分です。
読み返すと今回解散に至った序章が見え隠れしている気がしました(笑
彼はきっと「なんだか漠然とした自分名義の曲」ってのを人に作って貰ってそれを自分の思うように修正を加えたかっただけ、僕の方は「曲は自分が書いているのだし、あくまで自分の領分」という考えで、この部分がぶつかってたんでしょうかね。

その後大きな変化を生むキッカケなんですが、その1版を渡してハコでかかっているところを聴きに行ったんですが、想像以上にグシャーっとしていて何が何だか分からない感じになっていたのが一つ。もう一つは次回作の「freedom」を作るにあたり、ブラックやファンク色を出そうとした際にこちらの曲方が頭の中で整理が出来てるなと思った事が一つ。
両方を合わせて考えると、今の段階ならreasonを大幅に変更しても取り返しがつく。違う雰囲気にしておけば差別化も図れる。今の状態だと誰も満足しない、やり直そう。そういう経緯でやり直す事にしました。

ここで選択肢が生まれるわけですが、元々僕が良いと思ったもっともっとシンプルなバージョンに直す、前のはいっそ無かったことにして全アレンジやり直す、って事ですね。で修正作業というのは非常に気が重いものですから(いや本当に!)いっそやり直す事にしました。
先ずはパート消しです、9割は消してしまいました。これくらいの勢いでないと経験上前の名残が邪魔してしまって袋小路にハマっちゃっていい事ないんですよね、なのでここは思い切ってバッサリと。
新しい方向性を3パターンくらい考えたのですが、雰囲気を変えるなら黒さはもう殆ど要らないなと思いました。もっと日本人向けと言いますか、さわやかさや元気感、明るさ、JPOPを思わせるようなものがもっとあってもいいかなと。

ピアノは高尚過ぎないないように、ポップス且つ簡単なフレーズのビートバラードを弾くかのように。ベースはファンクである必要がなくなったのでベーシックリズムを中心としたシンプルなラインに変更。弦か管どちらかだけでいいなと思っていたのでフレーズで遊びやすい弦を選択、和音感補助且つメロディアスで印象的なカウンターラインを意識して。
大まかな構成が前回のものを踏襲した形にして微調整し、全体のノリが決まってきたところでリズム(主にパーカッションパートですね)全部を打ち直しで曲全体の歯車を噛み合わせる作業に。

音色に関してもジャンジャン弾きで無くなったことからピアノは音色自体を変更。綺麗且つそれなりに立つピアノってなかなかないですよね。とりあえず今回はGigaのライブラリからべーゼンを痩せた形にして使用しました。
弦は前回のものを。楽器数が減ったことでEQでレンジ調整していた部分をもう少し広げてあげました。単品で立つ場面があるとある程度の胴鳴りが必要ですし、輪郭もVoとピアノがあるので喧嘩しない箇所を見つけて譲り合いする方向で。
キックも締まってる理由が無くなったので音色ごと変更し、もっとブーミーでローがしっかり出てるものに変更。これに伴ってベースも少し下げた位置に。ブーム感のサイン波を中心に、腰の部分をEQで部分切り出ししたものと輪郭用を2つのノコギリで。キックとの馴染みが必要で、曲調からもフレーズからもそんなに目立った感じにしなくてもいいので、キックと一緒にコンプ、チェインを利用して多少はダックをつけながら。パーカッションもサビ以外はそんなに大事ではないので(楽器が少なく、勝手に出てくるので)空いてるところに潜り込ませる感じで。
基本パーツが揃ってくると最後は微調整をするのですが今回はこの部分を省き、あとで説明しますがかなり大雑把な状態で放置状態にしておきます。

楽器がぐっと減ったことでミックスが3倍ラクになりましたが、ここで少し実験的にミックスは適当なままの状態で、マスターでEQとコンプでいじくり倒してバランスを整える方向で。
丁寧にミックスしていくとI want Uの最初のハウスバージョンのように楽器が各々クッキリした分厚い感じになるんですが、やり過ぎると上品になっていき、リスニングには良くても「ダンスミュージックっぽさ」が欠落していきかねないので、両極端な方向としてこういう強引さも必要かなと、加減気味ではありますが実験的にやってみました。
結果は、んーどうですかね、自分でもこれで良かったのか元来どおりの方向の方が良かったのか、正直よく分りませんが(笑 どっちもどっちといったところでしょうか(?)。今回経験した事を次回作で更に少し応用してみたいとは考えてます。

ここまで出来上がったものを一旦聴かせたところ、「完全に別物っすね(笑」とは言われたものの、サビ後半の盛り上がりなど新しい要素が勝ったようで、そのまま仕上げて渡したのですが、そこから先は例の諸々があった事でもう僕のやりたいようにやってよくなりましたので(笑 ちょっと気に入らなかった部分を元に戻したり修正を加えての完成です。
曲の方はもうmusieに上げてありますので、あとは反映待ちですね。二転三転しましたが結果こうなりました、良かったら聴いてみて下さい。

次の曲も今週中に仕上げちゃいますのでお楽しみに!

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今までにイヤと言うほど書いてますからもうおわかりでしょうが、もう何一つ弄る事が出来ない段階まで来ています。どれかを上げると全体のリズムが狂って聞こえる。例えば管を上げてしまうと頭打ちフレーズが強調されてモントゥーソっぽい4拍強調の止まったリズムになり、ボーカルもピアノも死んでいく。フレーズとしても弦と絡ませるためにあまり出しゃばらない感じになっているのに、抜き差しのフレーズも死んでしまう。音質面での強調ももう役割分担がガチガチに決まっているので今更変更出来ない。それらを一応説明し、仮に弄ったものを聴いて貰ったんですが、やはり駄目でした。

今度は「折角の弦が聞こえない」という話に。上記と同じ理由で何も触れない。
どんなことになるのか、試しにストリングスとブラセクとピアノをバスに振って全体を持ち上げてみたのですが「これでいいじゃないですか!」と言われてしまいました。どう聴いても4/8/16のバランスが完全に死んで、4つノリベースでかすかに8でノレるか、って感じになっています。タイミング的にで4ノリするトライバルなものが彼のマイブームだったので理由は分かってるんですが(笑 メロの持つリズムを考えても今回はナシなので。
DJなのでリズムからなら理解して貰えるかなと、それぞれ関係性を実際に聴いて貰うために他の楽器の抜き差しの状態も聴いて貰いましたが、どんどん泥沼になるだけです。最後には「ボーカルなんか聞こえなくてもいいので弦を大きくして下さい」って事に。

彼はこれでいいというのですが、どこでノリたい、どの楽器をよりよく聴きたいなんて結局好みの問題でしかないですが、例えば16を廃して4や8でノる曲にするのなら別のアレンジがあったわけで、例えば弦のラインを強調したいなら管は廃止、それに伴って管との抜き差しのラインを全変更、ボイシングの見直し、ピアノも極小でリズム隊のパーカッションの役割に(グラビのリフみたいな方向性)、といったように一つ弄る事で全部変えなくてはいけなくなる。
幾ら話し合っても「俺はこの弄った方が好き」対「意図が崩れるのでいっそやり直した方がマシ」という水掛論にしかならないし、音楽に正解などないですから長い間話し合っても結局はなんか変な空気になるだけで。
少なくとも僕の主張としては、「注文は全部どうにか全部叶えるように押し込んだ」わけだし、もう2000曲くらいは書いてきているので、何をどうしたら結果どうなるか(例えばこのラインは好きなので強調するとえてして五月蠅いだけになる、など)という経験則があるわけで、意見が分かれたのならこのままそっとしておいて欲しかったんですが、「どうも腑に落ちない」と。

思い出して貰いたいのですが、最初に聴いたときに興奮気味に気に入っていたわけです。ところが最終の好み通りにパートを抜き差ししたらどうなるか、などを丁寧に話していくウチに弄ったら弄っただけやっぱりこっちがいい、いやこっちの方がいいかなあ、となっていったわけです。普段はそんな事はしないのですが、珍しく「どうなるか一回やってみよっか?」といろいろ聞かせたのが失敗の始まりでした。
何が言いたいかと言いますと、何か物作りを経験されている方ならいつも経験されてるかと思いますが、自分が手がけている作品っていうものは修正を加えれば加えるほど良くなっていくという錯覚が起きやすい。それに惑わされたり流されたりしないように引いた目で冷静に判断する要素は、もう数だけがものを言うのだと思います。10枚の絵を描いた人よりも1000枚書いた人の方がその判断力に数に裏打ちされた一般性(?)のようなものが付加されていくと考えます。その場その場で限りなく広がっていく選択肢がプラスになったか、実はマイナス方向なのか、それを判断する視点ですね。

ただ上にも書いたようにロジカルには彼の言い分もよく分るのです。何か一つのことを極めようと努力したことのある人にしか、そこに至るまでどれだけの考えや経験や知識や時間、、、そういったものが積み上がって出た結論と結果なのか、なんて分かるものではないですよね。一見白紙に線が一本だけ書いてある絵でも、その線の角度や使った画材や色、少し変わるだけで意味が違うものになる。ハタからみれば「え、だって線引き直すだけでしょ?(笑」そうなるのも不思議じゃありません。人それぞれに好みがあり、またその人の別の正解があって、線を書いた画家にも自分なりの主観の正解と意味がある。どちらが良くみられやすいか、多くに評価されるのか、それは結果論でしか語れないのでやはり正解はなく、どちらを取り入れるか決められるのは書いた本人だけじゃないかなと。
僕ら二人の関係に置いても、例えば独断で作った僕の完全主導なもの、「L.S.D.」に「Listen~」、最近では「I want U」のエレクトロ版、彼主導の「Heaven is a~」など、ちゃんと結果としてどういう評価になるかの前例がある筈なので、分って貰えなかったのはかなり残念でした。
反対に明らかに彼の注文修正で評価が上がった「Let Me Go」という曲もちゃんとあるので、勿論全てにおいて僕の判断が正しいわけではないです。

人と一緒にものを作り、しかも作業自体は一人でやるというのは今まで思っていた以上に難しいなあ、と感じた一日でした。DJと組む場合、トラックメーカーは製品を、DJは営業を、という分担だと思っているのですが、営業が商品に惚れてくれないと売れるものも売れなくなると同時に、営業はお客様の注文を開発に上げてくれるのは大事ですが、開発のことも尊重して意見して欲しいなあと。結局は信頼関係なんですかね。
生きていると似たようなこと、他でも感じませんか。

折角トランスから抜け出して少しはやりたい方向の音楽が出来るのかなと期待してたんですが、ここでも「営業書き」といいますか、普通の仕事のようにクライアントの注文通りなものを作るだけだったらちょっとがっかりだなあと思う今日この頃です。
本当に作りたいものは趣味に留めておくべきですね。

で、結果どうなったかと言いますと、彼の注文を尊重してみました。皆さんの反応をみてこれが正解だったかを見届けたいと思います。

では早速ですが今回は「reason」です。
先にお知らせしましたようにその後大幅な修正を加えましたので、元の原稿に加筆修正してあります。


・バージョンその1の1

この曲は原曲と言いますか、本当はR&Bな曲として用意していたのですが(このバージョンもそのうち完成させたいと思います)、ハウスでウタモノが急遽必要と言うことでテンポを上げてリアレンジしてみました。
今回のタイスケからの注文は「ラッパとかストリングスがガンガンが入っていて五月蠅いもの」「展開が大胆、トランスっぽいもの」「ジャンジャカピアノ」「ボンゴやコンガを使ったトライバルなパーカッション」と言った感じでした。これらキーワードから、ファンクを基調としたものに最近のハウスの傾向を織り込んで作っていくことに。

先ずはアレンジですね。一番の問題はジャンルを跨いだリズムの調和部分で、メロが元々ブラックなものですから、これをアップテンポにするにはファンクを基調とするのがベストだと判断しました。ですが、今度はそれを強調しすぎると16ノリでしかも引っかかりが多すぎて4や8でノレず、メロが流れません。
それを補うためにメロディアスで流れるような弦パートを考えるわけですが、これはディスコ調なラインを使えばいいので合わせるのはそんなに難しくないんですが問題なのはここからで、先ずはジャンジャカピアノが邪魔をします。
リズミカルなピアノを使うにあたって一番簡単なのがファンクのリズムに合わせてしまうことですが、今回の注文はそういうものではないので、両ジャンルの共通タイミングを考えながら整合性を取っていきます。
更に問題になるのが管のパートで、これは弦のパートを抜き差しのセッションフレーズにすればいいのですが、ディスコ調を強めすぎると存在価値が無くなり、「そもそも弦だけでいいじゃん」と言うことになるので、また引っかかりの要素が増えますが若干ラテン(サルサですかね?)なエッセンスを加えていきます。
ここまでをおさらいすると、4/8/16が均等ノリなドラム、ファンク調だが16が強すぎないベース、4ノリで流れる弦、管はバランスを取るために8で乗るパートにしたいが難しい、こういう感じになります。

スピード感はボンゴとコンガメインのパートでシンコペーションを組んで速度感調整が出来ますが、聞き取り易すぎると楽器が死んでいき、このパートが扱われるランクとして和音楽器と同等であるのはおかしいので、、、どれもが出しゃばりすぎず引っ込みすぎず、にしないと全体として聞いたときに意図したノリにならないので、音量バランスの前に音質面での譲り合い(f特的に)、音量のバランス、こういったものが重要になってきます。

次は和音楽器ですね。これだけ楽器数が多いと前述のように音質面も響きに影響するようになるので元となるサンプル音源の選択が難しくなり、ハードルもどんどん上がっていきます。パッシブなフレーズにするために弦に関しては音色の選択肢がなく、音自体はショボイですが立ち上がりの良い音色が多いローランドのSシリーズのサンプル(EXSにコンバートされたもの)を使用します。
いつも思うのですが、豪華で美しいオケ用のサンプルは腐るほど存在するのに、なぜポップ弦で使えるようなアタックの速いライブラリはないんでしょうか・・・。マルカートやガッツリと弾くアジタート、レガートからの任意変化するトレモロやビブラート、最低限これくらい出来ればいいのですが、既存の高級ライブラリはどれもこれも立ち上がりが遅く、ポップスなどで使えるようなパワーと力量を感じるアジタート音色がないデス。
各種メーカーさん、意外と需要あると思うんですがどうでしょうか。

管はいつも愛用しているKickAssBrassなんですが、サンプルベースだと色々と使いにくい中これまで我慢して使ってきました(特に演奏切り替え面)。ですが今回は思い切ってVST版のプレイヤー付きでWINベースに乗り換えてみました。住めば都、Logic上でなくなった分、専用プレイヤーの使い勝手の良さもあってナカナカでした。
なんでこれを使っているかと言いますと、上記弦の理由と同じなんですよね。KABはポップスや例えばサルサ、ポップオケといったようなブライトで立ち上がりの速い音色や奏法が多く、使い勝手がいいんです。こういった生サンプルのライブラリは沢山持ってますが、結局音質面を度外視してもこういった実用性(音質より演奏の方が大事ですからね)を重視してついつい使ってしまいます。
パートに関しては基本は弦との抜き差し、ラインのボイシングの手伝いといった役割でしょうか。縦(ボイシング)と横(リズム)を注意しながら組み立てていきます。管は弦と違ってそのパート自体が持つ積み方の束縛が厳しめですから(octや4や5th感)、それを保ったままフレージングし、且つボイシング参加、細かな譜割りが利く楽器ですから打点を注意したリズム参加、面白いですが色々と面倒です。
空間処理は4人がゆったり入れ、リフレクションはそれなりにあるブースで録ったという想定になっています。

次はピアノですが、ジャンジャン弾きということで、ただでさえ五月蠅いオケになりそうなのでそれなりに目立つものが必要です。今後の事を考えて最近M1のピアノのライブラリを作ったところでしたので早速使ってみました。M1と元サンプルが同じで、且つメモリも多く使用している豪華版のP3なんかを持ってたりするんですが、「いわゆるM1ピアノ」とはやはり違うんですよね。レイヤーされたハイのエッジにあるグロッケン風の金属音が不足していたり、M1内蔵の独特なコンプがかかって初めて「アレ」になるので、やはりオリジナルの方が使い勝手もいいですね。
問題があるとすれば、元音が前代的なものですからマルチサンプルになどなっている筈もなく、細かく積んだ音だと音が潰れてしまいます。ボイシングするにあたってルートと3に挟まれた9thや、強引に7を下に回してルートとぶつけると言ったこと(2度で当たる)は避けないとぐしゃーっとなってしまいます。音色から和音に制限が設けられる形ですね、珍しい事ではありますがちゃんと考えないとあとあと面倒な事になります。
フレーズを歌わせた場合でも、強調するため下手にトップをoct弾きにしたりすると、音色の問題で箇所によって位相がおかしくなってかえって引っ込んでしまうこともあるのでこれもxです。書けばキリがないのですが、とりあえず沢山の足枷を抱え込むことになりました。

弦や管も含め、ローミッドで相当喧嘩するので分散が必要です。管に関しては4管で積んでるんですが、トロンボーンとアルトの下2本はパン振りし、コーラスをかけてボカし、ペットのエッジはハイを立たせてギラギラした感じに纏めるとして、弦はあんまりローミドを切ってしまうと胴抜けして厳しくなるので、ある程度残しピアノ側で遠慮して貰いました。どのみちピアノはポイントポイントで立つ音色にならなくてはいけないので、特徴を消さないようあまりハイは削れ無いわけですから、ベースと喧嘩しないような位置までカットして、空間処理含めそれに見合ったトリートメントをしていきます。

和音楽器の役割分担が決まってきたところで最後はBsです。今回はファンク系のフレーズと言うことでどうしても生のエレベにしたいわけですが、そんなに難しいフレーズをささっと弾けるほどベースは得意ではないので(笑 これも生シミュレートで打ち込んでいきます。今回はTrilogyのフィンガー弾きエレベです。
この子は良くも悪くもレンジが広く音が太すぎるので、リアンプがてらキャビネットからのマイキングシミュレーションも踏まえてトリートメントしていきます。少々ゴリゴリしてた方が音も立ってくるしそれが許されるフレーズなので、Sansに通して50アンペ程度のアンプから57で録った音を想定しています。ダイナミックスは楽器→コンプ→EQ→アンプで天井(サチュレーション以上に歪ませるので)→キャビ→最後に57のダイアフラムでハリを出すためのピーク、といった感じになるようにしています。最終的につるっと録音してしまってミックスの段階ではオーディオで貼り付け、微調整EQ→コンプで出来上がりです。
マイク録り想定でハコ鳴りやなんかの音がしていますから、改めて空間エフェクト的なものは一切使っていません。時間があれば本当にスピーカーから出してマイキングするんですが、シミュで想定した音がしたので今回はそのままで行きます。

ドラムはf特的にこれらを縫うように配置するのですが、キックのスペースはよしとしてもう殆ど空きがありません。

一番五月蠅いパートの全体像が実際に音となって出来上がってきたのですが、やはりどう考えても五月蠅いです・・・。ボーカル曲なのでそれなりに立ってもらわないといけないんですが、和音楽器がかなり厳しいことになってます。正直何度も管を撤廃しようかとかリズムをもっと簡素にしようかと考えたのですが、彼の注文を取り入れていかないと一緒にやってる意味がないので無理にでも押し込んでみました。

今回は既に話が長くなりすぎているので他は概要だけにしますが(笑 展開の部分を大袈裟にすることで「トランス的な大胆な」の部分をクリアし、サビが豪華なのでそれに劣るように、且つサビに行くまでの期待感のあるA/Bメロを。
ざっと展開も出来たところでタイスケを呼んで最後の微調整注文を聞くわけですが、ここで沢山問題が発生しました。最初は機嫌良くノッていたのに、「この管少し大きくなりませんか?」から次の話は始まります。

久々に書きます。

ここを始めてから改めて感じるのですが、書き物をするって難しいですね。
僕はブログは日記とは違うと思ってる派なので(日記自体がコンテンツになってる場合はそれでいいと思うんですけど)僕が今日はこんな事がありましたーとか書いてもツマンナイでしょうし、仕事のことだと書けない内容も多いし。あんまり小難しいエッセイ的な話を書いても取っつきにくいでしょうし、こうやって構えてしまう事もあって中々筆を執る事が出来ません。


とりあえず今回は無難に制作的な事を(忘れないうちに 笑)書いておきます。

今回のお題は「I want U」の新しいリミックスについてです。
「overdrive」や「ヒーロー」などと一緒に7/17に発売されますtastumakiのコンピにボーナストラックとして収録されますので、よかったら買ってクダサイマシ!

こちらの曲、ちょっと反応を見たかったこともあり実験的に作ったスタイルの曲なんですが、フレンチエレクトロポップな仕上がりにしてみました。
「リミックスらしいいわゆるリミックスを作りたい」って事もあって、日本向きな感じを意識しすぎると想定してる方向性とは変わってしまって落としどころが見えなくなってしまうので、今回は日本人の好みみたいなものは意識しないで作ってみました。それもあってこの曲はmusieに上げずにマイスペと、後にお話ししますコンテストのトライアル曲として提出してみました。

今回のサウンドのお題の一つに「僕があんまり好きではない音色を羅列する」というものを設定しました。というのもフランスを中心とした音源を聴いていくうちに感じた一番の印象は「こういう音は好きじゃないなあ」「こういう音は滅多に使わないなあ」と言うものばかりで、要するに僕の好みをことごとく外していけばアチラなサウンドになるんじゃないかなと楽観的に考えました。これを踏まえてオリジナリティも模索していかないといけないので、とりあえずはアレンジが頭で鳴り始めたところで音作りから始めます。


先ずはキックなんですが、大抵においてノックが恐ろしく強くて重心た高め、ペチっとしていて胴の詰まり具合が少なく、ローはある程度あるけどブーンって鳴る、というような傾向をよく耳にしました。加工された状態前提でメジャーな音でいいますと、909より808的な音ですね。昨今のエレクトロポップの中で嫌いな音色No.1はこのキックです。

料理って、大したものでなくても自分で作ると結構美味しいじゃないですか。この法則を利用して(笑)昔から少しずつ作り貯めしてあるライブラリに一切手をつけずにイチから、波形からキックを作ってみました。
単純な波形で構成された言わば音階感の少ないBs音からキックを作っていくわけですが、今回はスクエアをPro53、ノコギリをそこらのフリーで落としてきたPSG音源モドキ、サインはEM-1を使ってブレンドしていきました。各種パルスは、今回はノコギリなんかを潰せば事足りるので使いませんでした。

一種類のシンセに絞らなかったのは、それぞれのシンセが持つ鳴り方の特徴を適切に捻出出来る純波形を使いたかった事と、それぞれ波形を直接EQ出来た方がバリエーションが作れると思ったからです。ペイオフで諦めた部分は一台完結だったら可能なoscシンクやFMなどですが、もし必要になった場合でもサンプラーなんかに突っ込めばこの後の段でも如何様にもこねくり回せるので先ずは一旦この部分を諦めました。
基本となる音を3つ程度作り、主に波形ごとのアタックやリリースやPMのパターン(速度)違いも含めて録音していき、簡単な波形編集を施した後にBatteryに投げ込んでサンプルとしてライブラリ化しました。

とりあえずきついアタックを捻出・保持しないといけないのでコンプゲートには相当気をつけました。キック作りに欠かせない様々な歪みに関しては、あまり極端にやっていくと胴がついてしまって「いわゆる909系」に近づいてしまうので、「レトロ音源をなんとか使えるところまで持って行きました!」な感じにするために手加減を。
主にフィルタ部やそれらプラグインで予め波形ごとに必要最低限の部分は加工を施してしてあるので、わりとすんなりいきました。コンプ段でもサチレーションを含む歪みを作るわけですが、可能な限りアタックの輪郭が強調される部分にだけかかるようにし、主に倍音を整えるコンプ本来の役割に徹しました。
最後に帯域抜き出し(分割)→ローエンハンスと位相操作→EQ→コンプ でできあがりです。必要だと思われる基本となる波形は腐るほどライブラリ化してあるので波形から作ったのは実に数年ぶりですが、なんとかなりました。

で結論ですが、少しは愛着が沸きましたが、やっぱりあんまり好きな傾向のキックではないですね(笑

スネアは色々検討した結果、確かリンドラを元波形としたものを使ったと思います。サンプラーでPMカマして、基本ピッチも決めて、EQ→コンプで終わりだったとお思います。生のスネアも重ねてるんですが、これはサンプルタンクだったと思います。歯切れ良くするためにゲート処理ではなく、両者をレイヤーした状態でそれぞれのエンベロープのリリースで調整しました。
他のパーカッションは既存ライブラリから適当に。
キメの「ズパーン!」は生スネアとタムをレイヤーしてビットクラッシュしてEQコンプ、リバーブをドッバーとかけて終わりだった気がします。


音色ですが、今回のテーマに沿って考えた結果、可能な限りスクエアの代わりにパルス系のえぐれた波形で輪郭を出して前に出していく方向にしました。これはベースもリードも同じです。スクエアの輪郭成分が欲しいときは可能な限り帯域を絞り込んだエンハンス処理で逃げ切りました。

サビ始まりのところではBsがリード兼になるフレーズがあるのである程度目立って貰わないといけないんですが、後半にリードフレーズが入ってくるので似た波形にすることでコイツに当たっちゃうと元も子もないので、Bsを引っ込ませるのではなくある程度前に出した上でリードを「もっと」前に持ってくる方向で考えました。最初のバージョンは死ぬほど目立ってましたが、仕上がりを聴いて最後に加減しました。

今回もう一つ決め事としていたのはBsを歪ませない事。一言で歪みと言っても様々な種類や手法がありますが、今回はDist的な方向はナシにして、歪ませるとしてもロービットでローファイな感じにしようと思いました。
Bsはそこらのいつもの音源でちゃちゃっと作れたんですが(フレーズ化するために3種類が抜き差しされながら鳴っています)、リードと喧嘩しないで上手に前に出てくれるものを検討した結果、主役はSiD系で行く事にしました。
使った波形はノーマルなものですが、こいつの特有のジャリジャリしたフィルタをがっつりカマして高域の特定倍音を過剰にブーストし、ビットクラッシシュしてジャキジャキにしながら天井を取りました。Qを絞ったピンポイントなEQはやはり音量にムラが出てしまうので、余計なオシレーションノイズとロービット化した事による波形のエッジのデジタルノイズを緩和するためにハイの軽いシェルビングと暖色系のコンプを幾つか試し(結果URSの1980を使いました)質感が残る程度に角を取るトリートメントを。


全体的なミックスとサウンドカラーですが、ここでも一苦労です。
一番問題になってくるのが普段扱わない波形をふんだんに使っている事で扱い慣れていない倍音をもってる音をハンドリングすることです。最初は何をやっても思った感じに鳴らなかったんですが、途中でコツが掴めてきてなんとか収まりました。

ミックス傾向も変えるために空間処理も普段はあんまりやらないスタイルにしてあります。
奥に伸びる空間を好みの1/3くらいに想定して近接感を出来るだけ強調。これで音を逃がせる箇所は近接の左右と上下だけになるので帯域分担をいつもよりシビアに(上下)、左右はもう位相操作しかないので、ハコでかけても芯が出るようにメインの音を中心に定位は基本センターで、エッジだけ引っこ抜いて操作する事で広がりを。
今回はボーカルが主役ではないので前から奥まで三段階あるとすると、リードとキックスネア→VoやBs→その他、といった配置になってます。位相を弄ることでEQしたり音量差をつけるのとはまた違った感じで輪郭線を強調したり緩めたりして前後感配置にも役立ちます。
これでヘッドホンでもステレオスピーカー環境でもハコでもある程度の鳴りに仕上がったと思います。

最終段のコンプ処理ですが、これはパーツごとにコンプゲートを丁寧にやっていたので結構すんなり終わりました。近接感があるのが今回のミックスの趣旨なので、シャッフル感を強調するようなしゃっくりしてるコンプゲートが結構キモになってきますし、あとで全部を整理するのは大変だろうと思い、リズム担当セクションごとに3つに分割して整理してありました。サイドチェインで引っかかりに統一感を持たせるのも楽デス。
前にもこれに似た処理をした事があって最後に少し楽出来た覚えがありましたのでまたやってみたんですが、やはり最後の整理が楽でいいですね。こういうミックスには向いてる手法だと改めて思いました。

と今回はザックリとこんな感じでしたが如何だったでしょうか。

 

それでですね、アパレルのDieselがサウンドコンテストをやってまして、僕も応募してみました。以下のアドレスにそのポータルを作ったんですが、作期間限定ですので宜しければガンガン聴いてやって下さい。未発表音源なども含め、全曲フルサイズで上がってます。

http://dum.diesel.com/artist/xign

選ばれると最終的にはフランスで行われる世界選抜のイベントに出られるらしく、どうにかならないかなあ、なんて。賞金とか契約どうのとかではなく、こういう特殊なプライズが付いてるコンテストってなんかいいですよね。
もっと多くの、幅広い人に自分の曲を聴いて貰うチャンスが欲しいデス。
ではまたー

そこで。

そういったものを作り出すこと、生み出そうとすることは、作業をすればするほど実際に何かを作り出すことと何も直結しないことが多いという事に気付く。要するに考えても無駄なのだ。
人にとって意味不明なことを説くことや何かに置き換えてものを作り出すことは結局自分のためと自己満足であり、人に伝わる頃には結局形を変え、劣化コピーされ、人の中に入っていく。
自分の喜びがまた形を変えて人の心情や情動を動かすことは『究極のリサイクル・エンタテインメント』であり、作り出せてしまうのは真に芸術的な行為で、それが出来てしまうのが偉人、即ち天才と呼ばれる人達なのだろう。それら感情や考えを、話に置き換えることが出来る人。メロディーや、詩、映像に置き換える能力がある人・・・ 誰でも「それ」にはなれるのだ。
アーティストという区切りを持たない人たちにもちゃんとチャンスはあって、例え受け取る側であったとしても自分にコピーされたソレを自分でかみしめる力さえあれば、真に意味など存在しないこの世界で生きている意味に、そして自分の存在価値に繋がっていくのだろう。


でもそんな僕たちが実際にしがみついてしまっているものはなんなのだろうか。
その場で消えていくメールに乗った軽い想い、瞬時にことを終わらせてしまうテクノロジー。苦しみや達成感から生まれる喜びがあるのだとしたら、テクノロジーの進化で僕たちが獲得した「新たな時間の有意義な生活」というやつは実際にどんな喜びを生み出してくれたのか。
道具は道具を生み出し、また新たな道具だけを生み続けて、それを利用したり選んだりすることだけに没頭し、その道具を踏み台にして何かを生み出そうという本質的行為を進化やテクノロジーってやつは忘れがちにさせるほどの力を持ってしまっている。

一方的に発信される娯楽、共感したかのように錯覚させる周囲の意見との合致を生むインフラや仮想コミュニティ。文化的背景がもたらす「空気を読んだ」遠慮空間の居心地の良さ。そこにテクノロジーが力を貸し、容易に得ることが出来る「意味」や「娯楽」。
少なくとも新しさしか意味のないテクノロジーは、時代が進めば笑い話にしかならない使い捨ての歴史だ。最新技術を用いたのフラットTVも、近い将来「3次元では無かった頃のテレビ」と揶揄されてしまうだろう。無駄じゃなかったと思える筈の人生の集まりは、果たして本当に未来に向かって自慢出来るものがあるのだろうか。
自分で何かを育てること、それが出来ないなら育っている何かを助けたり見守ること。そうしようとしたときに初めて、テクノロジーや自分の周りにあるものが全部意味のあるものに変わるんだ。

どこかで災いがあった、世界で一緒に愛を叫んで団結する。先導をした人達以外のこの行為は所詮各々に安心ってものを産むだけだ。自分に陶酔することでもなければ、意味を見出すことでも無い筈だ。それが「正義とされているから」なんてそんなバカげたものばかりが溢れすぎている気がする。
その安心している自分を横目に事の核心と本質を追求し、追い求めている人が確実に居るって言うのに、悔しさを感じないのは嘘だ。もし世界全体が「そこに愛がある・ない」で動いているだけなのなら、きっと地球さえもいつかそれに包まれて侵食されていくに違いない。


それらは僕の考えであって、誰に説くことでも、誰に諭すことでもない。
どんなに感動しても悲しくても、息をしているだけでも、必至に何かを築き上げてる人にも、平等に時間は流れ、何をしてもしなくても確実に時間は過ぎ、社会は着実に稼動し、勝手に、そしてお構い無しに冷たい態度で前へ進んでいく。まるで迷子になった子供が目の前を通りすぎていく大人達を冷たい存在に感じるように、足早に通り過ぎていくだけ。
そこからイチ抜けても、混ざっても多分大差はないし、人は勝手に足を進め、躓きながらもそれぞれがそれぞれの正義を全うしていくだけだ。


でも何かを残せるのだとしたら。意味という後付けの情動をもって発信する何かが誰かの中に作れるのだとしたら。自分が行う行為で、人の足を止めさせたり、行動を変えさせることが出来たら。
そしてそれが自分の生きる意味というやつに繋がるのだとしたら。それが素敵な事だと思える自分が居たら。
少なくとも僕はそれを全うし、そして同じように思ったり行動している人に混じって未来という奴に何かを残そう。

それが出来たら、あなたはあなたの中でヒーローであり続けられる、それは僕が約束しよう。
少なくともその正義を全うしているあなたに僕が出遭ったとしたら、
あなたは僕の中では確実にヒーローなのだから。

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xign (サイン)
性別:
男性
職業:
音楽屋さん
趣味:
映画鑑賞 などなど
自己紹介:
作曲、プロデュースからエンジニアリングまで、曲が出来るまでの全ての工程をなんとなくそしてぼんやりとこなす人。ジャンルはポップス、ロックからダンスミュージックまでなんでもやります。最近はすっかりハウスの活動が中心になってマス。
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